購入時計であるフランクミュラーは、きちんとメンテナンスを行えば長い間使い続けることができる。それが機械式のいいところではあるが、機械式時計はメンテナンスを怠ると壊れやすくなるし、その修理費用は非常に高額になる。長く使い続けるためにも、正しい使い方を紹介するので参考にしてほしい。
フランクミュラーの自動巻き時計は、何もしなければ時計は止まる。モデルによって違うが、動かさずにいると、おおよそ2日間で止まる。つまり、休日で使わないと月曜日の朝には止まる。
時間は1日に数秒から数十秒誤差が出る。常に正確な時間でないと困る人は、毎日時間を合わせる必要がある。ただし、フランクミュラーを持つのであれば、多少のズレであれば問題ないというぐらいの余裕を持つぐらいの心構えが必要。
リューズは時計における要注意箇所。水が入り込むのも多くはここから。巻き上げには細心の注意を払い、垂直に引いたうえで回すのが鉄則。ムーブメントとの干渉を避けるため、日付合わせは、短針が21時~2時位置にあるときはやめよう。
リューズをつまんで時計方向に回し、ゼンマイを巻く。ある程度回したら、今度は逆回転させ(空回し)、再び時計方向に回転させる。この手順ならゼンマイを切ってしまうことも少なくなる。中古モデルの場合、経年による劣化によって切れやすくなっているものもあるので注意が必要だ。
ゼンマイが一定のエネルギーを発揮することが機械式時計の高い精度の要因のひとつである。そこでゼンマイ巻き上げの原則を紹介する。毎日、同じ時間に、最後まで巻き上げるのが基本。こうすればゼンマイへの入力は均一化される。
機械式時計はゼンマイが一定以上巻かれた状態でいた方が、歯車やテンプを回すトルクを力強く維持でき精度も安定するので、手巻き・自動巻きを問わず1日に1回、決まった時間にゼンマイをフルに巻くのが正しい使い方だ。
止まりそうになったらその都度巻く、という方法ではゼンマイが緩んだ際にパワー不足となり、テンプの回転力が弱まるなど駆動が不安定になるのでご用心。
ネジ込み式リューズの場合は、まずはネジを緩めてリューズが浮き上がる状態まで開放して、一定方向へソフトに回転させる。何回転させるかは機種によって異なるので購入時などに確認しておこう。
止まった自動巻きモデルを動かそうとして、時計を激しく振る人がいるが、これは危険なので厳禁。時計を激しく振ると、ローターを中央で留めている軸部品が緩んだり、曲がったりすることもあるからだ。
もし、軸部品が緩んだりすればローターが水平に正しく回転せず、いびつに回転してしまう。その結果フランクミュラーの裏蓋にキズを付けたり、ローター自体の損傷を招いたりなど、大きな事故に発展する可能性もある。そのため、使い始めは時計を振るのではなく、手巻きでゼンマイを巻くよう、常に心がけておこう。
日付の調整をする際には、時針がどこにあるかを必ず確認する。機種にもよるが、おおむね午後8時から午前4時の間は、日付盤とそれを回す爪が噛み合った状態になっていることが多いからだ。
もし、この時間帯に無理に調整を行うと、日付盤や爪部品の損傷や曲がりなど重大トラブルにも発展しかねない。このように、日付調整してはいけない時間帯は機種によっても異なるので、時計購入時などはその確認も忘れずに。
シンプルな3針モデルの場合は問題ない例が多いが、複雑な内部機構を持つモデルの場合は、針の逆回しがトラブルを招くこともある。購入時には調整方法と注意点を必ず確認しておこう。特に、永久カレンダーとレトログラードモデルの場合は、元来、針が逆回りすることを想定して設計されないことが多く、故障が発生する危険性が大きいので要注意。
フランクミュラーは精密時計であり、衝撃は天敵。表面のガラスはサファイアガラスだが、絶対に傷がつかないものではない。日常的な注意点としては、落としたり強くぶつけたりしないこと。ある程度の衝撃対策がなされているからといっても、丁寧に扱ってあげることが大切だ。
また、ゴルフやテニスなどのスポーツはクラブやラケットのスイングの際、時計に大きな衝撃をかけてしまうため、時計をつけたままのゴルフなどは厳禁だ。
防水性能に関しては注意が必要。フランクミュラーのほとんどのモデルは日常生活防水なので、手洗い程度は大丈夫だが、できるだけ水に触れないようにすることをおすすめする。同様に、プールやダイビングなどに使用することはやめておこう。また、当然だが、レザーのベルトは水に強くない。水で濡らしてしまった場合はすぐに拭き取ることが肝心。
時計好き同士が会話すれば、時計を見せ合う場合もあるが、そんな時に気を付けたいのが「時計を落下させない」「キズ付けない」ことが基本だ。
時計を受け取る際には、絶対に落とさないよう手のひら全体で包み込むように固定する。また、実際に腕に着ける際には指輪やブレスなど、時計と接触してキズを付ける危険性のあるアクセサリー類は、あらかじめ腕から外しておくよう気をつけておこう。
日々の使い方とメンテナンス方法