精密機械である腕時計には定期的なメンテナンスを行わないと故障しやすくなったり、内部が劣化したりなどデメリットが多い。そのため定期的なオーバーホールが欠かせない。フランクミュラーのオーバーホールは特殊なので、知識として知っておきたい。
「オーバーホール」とは分解掃除のことを指す、腕時計を構成する部品のひとつひとつを分解し、各部品の摩耗や経年変化を調べ、その腕時計本来の状態に組み立てなおす作業のことだ。
常に歯車が回っている機械式腕時計の場合、歯車の軸部分などの部品を円滑に動かす為、多数の油が使われており、オイル切れを起こすとパーツが摩耗し、精度も著しく低下したり故障の原因となる。パーツ交換はコスト的にも高くなるので、やはり定期的にオーバーホールに出したいところだ。
時計内部の部品同士が噛み合って軋んだり削られたりしないよう、時計部品には摩擦を減らし潤滑に動くよう専用の油が塗られている。この油は年月を経過していくと徐々に酸化し、それに伴って全体的な性能が劣化してしまう。また、どんなに潤滑に動いていても金属同士が噛み合っていれば、どうしても微細なカスなどが発生してしまう。
もし、そんな劣化やカスの生じた状態で使用を続ければ、時計内部には大きな負荷や抵抗が生じ、部品の摩耗や破損など重大なトラブルにも発展してしまう。そんなトラブルを未然に回避するために実施するのが、オーバーホールと呼ばれる時計の定期点検作業だ。
オーバーホール時には古い油や金属カスの洗浄、摩耗や損傷を確認する、新しい油の再注油や、機能と精度の確認作業などが行われる。そのため、その重要性を理解して時計の使用頻度にかかわらず、3~5年ごとに定期的に実施することが、フランクミュラーの寿命を大きく左右する。
オーバーホール作業の主な流れは、ケースを開けてパーツの分解洗浄、消耗の激しいパーツの交換、再注油しながらの組み上げ、動作確認となる。また、多くの修理業者はケースやブレスレットの外装パーツは素材や仕上げに応じて研磨するサービスも行っている。
実際にやってみるとまるで新品のような輝きを取り戻すのでおすすめ。このサービスは修理業者によっては無料なのでオーバーホールの際にはそのあたりのサービスがついているかも確認しておくといい。
長く使うことを考えると、オーバーホールは狂い始めてからではなく、3~5年に一度定期的に行うのが望ましい。そのためにも、購入する前に購入するお店でオーバーホールが可能なのか調べておくことが必要。
激安販売店などで購入すると、数年後のオーバーホールに対応できないことが多いため、そのような場合はしっかりとした信頼できる修理の店を見つけることが、時計と長く付き合うコツだといえる。
フランクミュラーの直営店でオーバーホールを行うのであれば、おおよそ7万ぐらい。ただし、依頼できるのは直営店で購入した場合のみ。
並行輸入品や海外で購入したものの場合、直営店に持っていってもオーバーホールや修理依頼できない。この場合は、時計修理を専門でやっている業者に依頼することになる。ただし、これにも問題がある。
オーバーホールを依頼するとしても、フランクミュラーのような構造が複雑な時計は、受け付けてくれないお店も多いのが実情。例えばロレックスなどであれば「千年堂」などの専門業者でオーバーホールや修理を受け付けてくれるが、フランクミュラーは受け付けてくれない。一方、「白金堂 」であれば受け付けてくれる。
このように、時計の修理業者であっても受け付けてくれるかどうかの有無が異なる。
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